Story
時を味方につける、素材を選ぶ。
住まい手から最初にうかがったのは、「新品のようにきれいすぎる空間は、自分たちには合わない」という言葉でした。時間が経つほど味わいを増す住まい。それが、このお住まいで目指したテーマです。
天井には古材を張り、壁には職人の手による塗り壁を採用しました。キッチンには深い色合いのモザイクタイルを贅沢に使い、廊下には間接照明を仕込んで、夜には陰影が美しく浮かび上がります。トイレには英国の伝統的な壁紙を選び、小さな空間にも物語を持たせました。
新しさではなく、深まりを。十年後、二十年後に、いっそう愛着の増す住まいへ。素材の一つひとつに、住み継ぐための意図を込めています。

